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落語をたのしみましょう(第六回)

『江戸落語と上方落語』

 

 どんなに科学が進化しても、『災害』『疫病』『戦争』という人の悩みは太古の昔より何にも変わっておりません。

 因みに、落語の発祥時期は室町時代末期から安土桃山時代戦国時代ともいわれますが。

科学が進化しても、『人』にとって落語のような『娯楽』はとても大切な文化のようでございます。心穏やかではない日々が続いておりますが、落語を聴いて心がちょいと和めば幸いでございます。

 

さて、その落語には大きく江戸落語と上方落語がございます。

 同じ噺でも演目が異なり、言語の違いと噺家の演出により異なるニアンスを醸し出します。

江戸落語で使用する小道具は扇子と手ぬぐい。一方、上方落語では見台(演者の前に置く小さな机)、子拍子(見台の上に置かれ、左手で子拍子を持ち見台を打って音を鳴らす)、膝隠(演者の膝を隠す衝立)の3点セットを扇子、手ぬぐいと共に使う噺家もおります。また、情景描写の演出としてはめもの(お囃子を噺の中で盛り込む)が加わることもございます。

噺家の所属団体も江戸落語界は、『落語協会』『落語芸術協会』『立川流』『五代目圓楽一門会』の4つ。上方落語界は『上方落語協会』。一部どの団体にも属さない噺家も若干おります。

 

さて話を『同じ噺で異なる演目(江戸VS上方)』に戻しますと

例えば、

  あたま山(江戸)VSさくらんぼ(上方)

  長屋の花見(江戸)VS貧乏花見(上方)

  酢豆腐(江戸)VSちりとてちん(上方)

  反対俥(江戸)VSいらち俥(上方)       などなどがございます。

 

Ø  鈴々舎馬桜   あたま山

Ø  桂枝雀     さくらんぼ

Ø  柳家小三治   長屋の花見 

Ø  笑福亭仁鶴   貧乏花見

Ø  古今亭志ん朝  酢豆腐

Ø  桂南光     ちりとてちん 

Ø  橘家円蔵    反対俥

Ø  笑福亭つる吉  いらち俥

(演目を絞るとYouTubeの数が少なくなります。)

是非、VS聴き比べするのも心がちょいと和むかもしれません。

 

テレビのBS朝日で『御法度落語 おなじはなし寄席』という番組が時々放送されます。ご参考まで。

 

それでは、次回をお待ちくださいませ。

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